ANIF 日本フラメンコ協会 会報 No.45 1/1


    2003年8月1日発行 1/2
ANIF 日本フラメンコ協会会報45号 
Asociacion Nipona de Flamenco
2003年8月1日 発行:日本フラメンコ協会
〒164-0001東京都中野区中野3-3-6
Tel:03-3383-0413 Fax:03-3384-5711 
B5版、4ページ

第13回ANIF定期総会 開催
 2003年6月8日(日)、日本フラメンコ協会第13回定期総会が、中野サンプラザ8階「研修室6」
にて開かれました。 濱田会長の開会の辞があり、小島理事長が議長を務め、総会は進められ
ました。

議案審議
□平成14年度活動報告
 ・事業部(渡邊薫)
 ・研究部(坂中浩治)
 ・広報・普及部(曽我辺靖子)
 ・総務・組織部(三澤勝弘)
 ・国際部(濱田滋郎)
 ・評議員会(手塚真智子)
各部長より活動報告が発表されました。

□平成14年度収支決算報告 田代淳
 @特別会計報告
 ・第11回新人公演
 ・第1回アニフェリア2002バイレの祭典
 A一般会計報告
□会計監査報告 山田宏敬

□平成15年度活動計画案
 事業部、研究部、広報・普及部、総務・組織部、
 国際部、評議員会の各部長より発表されました。

□平成15年度収支予算案
 ・一般会計案
以上の議案が、とどこおりなく進められました。

 総会に続き、15階「孔雀の間」において、7時より懇親会・祝賀会が開かれました。

今回は今井重幸常任理事と伊藤日出夫副会長の功労賞の授賞式から始まりました。 

 濱田会長より祝辞があり、今井重幸氏におかれましては作曲家・演出家としてたぐいまれなる
才能を多方面の芸術におしみなく発揮し、すぐれた功績を残されたこと、伊藤日出夫氏におかれ
ましては日本フラメンコギタリストの草分けとして活躍され、また現在活躍しているアーティスト達
を育てられ、さらに中国への普及活動に力を注いでいらっしゃることへの賛辞を述べられました。
 
 続いて芸団協の大林丈夫専務理事より祝辞を頂き、本間三郎副会長の乾杯の音頭で懇親会
へと移りました。

 最初に去る3月30日東京文化会館で開催された今井先生の「大響演 春の祭典」のVTRを
大型スクリーンで鑑賞し、さらに先生の「三角帽子のファルーカ」と「ラ・ボエーム」のピアノ演奏を
楽しみました。

 続いて伊藤先生が弟子である若いギタリスト池川兄弟と「ノスタルヒア」を演奏して下さり、それ
に続き池川兄弟による「インスピレーション」と「地中海の舞踏」の熱演がありました。 思いもか
けないお二人の先生の演奏に参加者達は聴き惚れていました。 

 最後に手塚真智子さんのカンテと池川兄弟のギターで”セビジャーナス”を踊り、盛り上がった
ところで山田恵子副会長の閉会の辞でお開きとなりました。

国際部だより
初夏のアンドゥーハルで行われたおごそかな温かな授賞式
 すでに真夏並みの暑さとなった5月24日、ハエン県アンドゥーハル市のサンタ・マリーナ教会で
「ラファエル・ロメーロ”エル・ガジーナ”賞」の受賞式が行われ、東京フラメンコ倶楽部がこの栄え
ある賞を受けました。

 授賞式には、現地のペーニャ「ロス・ロメーロス」のアントニオ・ゴメス会長やホセ・アンドレス・
アンギータ事務局長、カンタオーラのロサリオ・ロペス、アントニオ・クエンカ市長、ハエン県観光
局長ほか土地の名士たちも参加。 

 おごそかで温かな雰囲気に包まれて、地元アーティストの手になるみごとなレリーフおよび賞状
の贈呈や、東京フラメンコ倶楽部からの記念品の贈呈など、一連のセレモニーが挙行されました。
日本からは、エンリケ坂井、ホセ大西、渡邊薫諸氏をはじめとする有志20数名がこの授賞式に臨
み、感動をともにしました。

 授賞式を中心に、5月21日からの4日間には、実にさまざまな記念行事が組まれていました。
市役所や県庁での歓迎式典、ラファエル・ロメーロ像への献花、渡辺亨氏や今村旭氏ほかの作品
によるフラメンコ写真展、パネル・ディスカッション「日出づる国のフラメンコ」、日本人およびスペイン
人によるコンサート、聖地ビルヘン・デ・ラ・カベサ聖堂参拝、ハエンやウベダ観光・・・それこそ朝か
ら晩まで、まさに休む間もないほどの行事づくし。

 アントニオ会長親子や、ホセ・アンドレ氏など「ロス・ロメーロス」の現役メンバーはもちろんのこと、
ロメーロ像建立に尽力のあった前会長ベルナルド・エステパ氏や、地元出身のベテランの歌い手
パコ・エル・ペカスなども駆けつけ、遠来の客を心からもてなしてくれました。

 また今年冬に来日の決まっているロサリオ・ロペスも、忙しいなか4日間を会員と一緒に過ごし、
思い出に花を添えてくれました。 短い日程ではありましたが、多くの善意と笑顔に彩られ、東西の
フラメンコの絆が深まった初夏の日々でした。 

北海道支部便り
”北海道のアルティスタたち”開催
 2003年5月11日、札幌テレビ放送(STV)主催で”北海道のアルティスタたち”と題したフラメンコ
フェステイバルが札幌で開催された。 北海道を拠点に活動しているスタジオ・団体・グループを中心
に、アントニオ・アロンソ氏をメインゲストに迎えたフラメンコイベント。 満員の観客と共にフラメンコを
共有した、素晴らしい一日であった。

 北海道のフラメンコ界でも、長期に渡ってスペインで修行する人が増え、そんな人たちを含めて、
なんとか発表の場を作れないか、という趣旨で企画されたイベント。 会場となったスピカはドーム型
の多目的空間で、ステージ背後に大スピカビジョンを持つ、とてもユニークな会場。

 ステージ上では北海道各地から集まった総勢100名強に出演者が、それぞれの個性を発揮し、
素晴らしいフラメンコを披露していた。 ただ、バックを担当した演奏者たちだけは大忙し、何しろ6時
間に及ぶイベントだったから・・・。

 当日は、スペイン料理のコーナーを始めとした各種出店もあり、ちょっとしたお祭りの雰囲気も醸し
出していた。 

 始まってみれば”あっという間に終わってしまった感があるが”時間の長さは苦にならなかった、
いろいろな人が真剣にフラメンコに取り組んでいるんですね。”、”各グループの踊りの間にあった、
ギター演奏やカンテソロがとても良かった”などという、お客さんたちの好印象の感想を聞くとホットす
る。

 当初、二日間開催、という予定だったが、出演者辞退の団体がいくつかあり、一日開催になって
しまったのが残念といえば残念。 次回は、また違った企画・演出でやろう、ということで早くも準備
に取り掛かろうとしているところ。 どうなることやら・・・。 

国際部だより Part V
アンダルシア観光局主催「フラメンコワークショップ」に参加して 〜最終回〜
 5日は、朝のうちレブリーハ市へ。 高名なカンタオール、エル・レブリーハが出迎えてくれる、という
のですが、半信半疑でいたところ、彼は本当に姿を現わし、私たちを前に、レブリーハのカンテの伝統
について、ひとくさり、まじめに話をしてくれました。

 ついには興に乗って、ア・パロ・セコ(ギター伴奏なし)でしたがテーブル上に拍子を取りながら歌い
始め、いろいろな貴重な古いスタイルまで披露してくれたり、興味ぶかいエピソードを紹介してくれたり
しました。 エル・レブリーハーノとは幸い親しく話もできましたが、「久し振りにまた日本へ行きたい」と
懐かしげに言っていました。

 また、近年のフラメンコ学者たちの研究によると、なんと18世紀のうちにおそらく最古のフラメンコ・
フェスティバル(当時フラメンコと呼ばれていたか否かはいざ知らず)がレブリーハで開かれていた事実
がわかったので、自分はぜひそれをテーマとするフラメンコの舞台を作ってみたいんだ、などとも語って
いました。 楽しみな話です。

 その後はフラメンコの砦、ヘレス回り、セントロ・アンダルース・デ・フラメンコ(アンダルシア・フラメンコ
・センター)を訪ねたのち、若手人気バイラオールでもあるアントニオ・エル・ピタのスタジオ見学したりも
しました。 彼の母親であるヘレスの伝説的名物アルティスタ、ティア・ファナ・ラ・デル・ピパもその場に
いて、風貌に接することができました。

 それからまた、ヘレスの名所のひとつ乗馬学校(ここにも古今の馬車のミュージアムがあります)へ
寄ったり、夜はペーニャ・ホセ・デ・ラ・パウラを訪れたのち、タベルナ・フラメンカという名のタブラオで
生粋のアルテを見聞きしたりしました。

 ヘレスでとくに印象深かったのは、普通の家の小さな土間のような場所で、素人の娘さん(こういう
人達がアーティストの予備軍なのでしょうが)が、鮮やかな踊りを楽しんでいる情景でした。 ここでは
たしかにフラメンコの「根」が健在なのです。

 6日は朝のうちワインの博物館を見学、その後、これまたフラメンコにゆかりの深い港町、プエルト・デ
・サンタ・マリアに赴きました。 グループの中で都合のつく人びとはその足で更にカディスへと向かった
のですが、私は日程の関係でこの日のうちにマドリードへ戻らねばならず、約半数の人たちと共に、
ここでツアーを終えました。

 いずれにせよ、じつに充実した一週間で、主催者側はすばらしく盛りだくさんなプログラムを用意してく
れたのみならず、ホテルもすべて4つ星以上、言うことなしの待遇を惜しまれなかったことには、非常に
感謝しています。 

 たいへん忙しく、体力および気力を要する旅であったことも事実ですが、まぁ私でも付合えたわけです
から、フラメンコが好きな若い人だったら、何も問題なかったでしょう。 とにかく、本当に行けてよかっ
た、ありがたかったというのが実感です。 

 同時に、つぎの機会がもしあるなら、私のような化石的人種ではなく、もっと機動力に富んだ、現代の
機器を使いこなせる若い人に当会代表として行って貰ったら、またべつな収穫もあるのだろうな、とも
感じています。

 このたびの経験をもとに、日本フラメンコ協会会員のための、「フラメンコの真実を見極めつつ大いに
楽しむアンダルシア・ツアー」をいつか企画できたらいいな、と、ふと思ったりもしています。

第2回アニフェリア2003 〜ギター・カンテの祭典〜
 日本フラメンコ協会は、設立来「フェスティバル」「新人公演」他、数多くのイベントや企画を主催、フラメ
ンコを広く社会にアピールしてまいりました。 また昨年度は、協会初の試みとして、「アニフェリア2002」
と銘打った新企画の公演を「五反田ゆうぽうと」にて開催、大成功をおさめております。

 「アニフェリア」とは、出来うる限りの制約を取り払い、プロの先生方から若手新人、中高年層にいたる
まで、フラメンコを愛する全ての人達に門戸を開き、とりわけフラメンコ界の裾野に目を向け、スポットを
当てていこうという試みです。

 「輪と和」をテーマに、フラメンコを通してできた”輪”をさらに大きく広げ、一人一人の触れ合いを共に
深めていく絆”和”を、未来へとつなげていくことをテーマに、楽しい舞台を創っていきたいと心がけており
ます。

 近年のフラメンコ熱は盛んながら、バイレのみにその目がいく傾向は歪めず、本来フラメンコは、ギター
・カンテ・バイレ三位一体の芸能・芸術であるにも関わらず、ギター・カンテはなかなか脚光を浴びる機会
が少ないのが現状です。

 そこで「アニフェリア2003」では、そのギター・カンテにしっかり焦点を定め、且つ、フラメンコのギター・カ
ンテに携わる多くの人達に呼びかけ、その総力を結集すべく、”ギター・カンテの祭典”とした次第です。

 日時 ●2003年12月14日(日) 会場 ●なかのZERO小ホール
 参加資格:協会員、非協会員を問いません。 また、プロ、アマ、性別、年齢、国籍もといません。
        どなたでも参加できます。
 募集要項:別紙参照

イベントメモリー
□2003年7月
 ●鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊公演
  「ARTE Y SORERA」
  24日(木)・25日(金): こまばエミナース
  出演/鍵田真由美、佐藤浩希、スペイン人アーティスト、他

 ●岡本倫子スペイン舞踊団第16回新人公演
  25日(金)・26日(土)・27日(日): ABC会館ホール
  出演/岡本倫子スペイン舞踊教室生徒、及び舞踊団、
      岡本倫子、山崎まさし、今田央、永井秀郎、クーロ・バルデペーニャス、手塚環、
      永潟三貴生
 ●フラメンコ「真夏のシンフォニー」
  26日(土):新宿エル・フラメンコ
  出演/スタジオ・フローラ生徒一同
□2003年8月
 ●南房総フェスタ「第9回全国大学フラメンコフェスティバル」
  10日(日): 千葉県南房総文化ホール 大ホール
□2003年9月
 ●野村眞理子/エルスール・フラメンコ舞踊団第2回公演
  「黒いサラ」
  20日(土)・21日(日): 三軒茶屋「世田谷パブリックシアター」
  出演/野村眞理子、ラファエル・カンパージョ、安藤雅孝、ファン・ホセ・アマドール・イホ
      アントニオ・デ・ラ・マレーナ、アントニオ・カンパージョ、他
 ●発熱体〜鼓動の応酬〜
  21日(日): ピピ510 Lホール
  出演/明石三代、時枝典子、森薫里、西井顕司
  
□2003年10月
 ●依田由利子フラメンコ舞踊公演「アルテ'03」
  4日(土): 愛知県芸術劇場大ホール
  出演/依田由利子、山崎まさし、クーロ・バルデペーニャス、及び舞踊団研究生、スタジオ生、他
□2003年12月
 ●鍵田真由美、佐藤浩希フラメンコ舞踊公演「曽根崎心中」
  3日(水)・4日(木)・5日(金)・6日(土)・7日(日)7回公演
  ル・テアトル銀座
  出演/鍵田真由美、佐藤浩希、他

★新人公演チケット引換券
 今年の新年会出席者特典として提供された、「新人公演チケット引換券」の引き換えが始まって
います。 事務局に持参又は郵送して下されば、チケットと交換します。 また、当日会場受付でも
交換が可能です。 お持ちの方はご利用下さい。

編集後記
■アンヘリータ・バルガスの踊りを見た。 静と動の対比が素晴らしかった。 動かなくても十分伝
 わってくる存在感。 無駄はどこにも無かった。 <少ない音で沢山のことを伝える>ディエギー
 トと同じだった。(加部)

■アフガニスタンやイラクの報道もこのごろでは大分少なくなって来ましたが、リアルな戦争の
 ニュースを見て、私の中で記憶の底に忘れていた感覚が思い出されました。
 
 かれこれ20年も前、スペイン留学中のことです。 通っていたアトーチャ通りの稽古場の上階に、
 ベトナムの難民が大勢住む様になりました。 スペインは当時難民の受け入れ国だったのです。

 入口にたむろする同じ顔色の人たちの前を通って、二階のスタジオへ行くことが、何とも居ごこち
 が悪く、うしろめたい気持ちさえしたものでした・・・。

 今また同じ気持ちを感じながら、また感じるだけの私・・・。 本当に人間はバカな生物ですネェ!
 戦争を何度もくり返して。 そして忘れてしまって・・・。
 平和を祈ります。(小林伴子)

■この原稿を書いている現在、関東地方は未だ梅雨明けせず、なものばかりです。 特に、少年・
 少女が加害者、被害者になってしまうのか、絶望的な気分にすらなります。 明るい夏がいつに
 も増して待ち遠しい今日この頃です。 (LUNA)

■今はまだ梅雨寒ですが真夏の太陽がギラギラ輝く頃、各スタジオでは若いエネルギーが目標に
 向かって熱く燃えていることでしょう。 新宿文化センターでの初めての新人公演を楽しみに!!
 (曽我辺靖子)