ANIF 日本フラメンコ協会 会報 No.50

2005年4月25日発行

ANIF 日本フラメンコ協会会報50号
Asociacion Nipona de Flamenco
2005年4月25日 
発行:日本フラメンコ協会
〒164-0001東京都中野区中野3-3-6
Tel:03-3383-0413 Fax:03-3384-5711
B5版 4ページ

〜第13回新人公演奨励賞授与式・2005年ANIF新年会
 1月23日(日)中野サンプラザ(皐月の間)において、日本フラメンコ協会新人公演奨励賞授与式及び新年
祝賀会が開催されました。

 濱田滋郎会長の挨拶で始まり、来賓の常磐興産株式会社社長斎藤一彦氏がご挨拶。 そして、授与式
では賞状は小島章司理事長、盾は本間三郎副会長、花束は山田恵子副会長の各氏によって授賞者に授
与されました。 壇上に並んだ授賞者達、努力と練習を重ねてきたであろう、その笑顔は晴れ晴れしく輝い
ていました。

 記念撮影の後、伊藤日出夫副会長の乾杯で懇親会へと続き、歓談も盛り上がったところで、香取希代子
賞であるスパリゾートハワイアンズペア宿泊券<6組>の抽選会が新人公演参加者によって行われました。
会長とのジャンケン勝負で白熱しましたが、当選された方々は、関さん、松田さん、井山さん、高須さん、トル
ニージョさん、鈴木(舞)さん、の6名。 そして恒例のビンゴゲームで盛り上がり、最後のセビジャーナス大会
へと・・・。

 祝賀会には約70名近くの会員の参加と、香取先生のお元気なお姿、また、フラメンコギターのパイオニア、
川添象郎氏の嬉しい参加がありました。 関西支部長、岡崎義隆理事の閉会の辞、そして司会を務めてき
た渡邉薫理事が、冒頭で濱田会長に述べられた「力を合わせて、心の絆を持って集う、一人一人が輝くた
めに!」という言葉で会をしめくくりました。

 ANIFセンターと新しい協会のビジョンのもと、私達会員、役員、理事がひとつになって、この言葉の理念を
確実なものにして行かなくてはいけないと痛感いたしました。
 一人一人が輝くために!
2005年 第14回新人公演募集開始
 今年はなかのZERO大ホールにて8月12日(金)、13日(土)、14日(日)の3日間開催いたします。
◆開催日:2005年8月12日(金)、13日(土)、14日(日)
◆会場: なかのZERO大ホール
◆組数: バイレ・ソロ65組、バイレ群舞・ギター・カンテ計25組
◆募集期間: 2005年5月9日〜11日
 持参及び郵送を問わず締切日一括受付(詳細は別紙応募要項参照)

「ANIFセンター」設立にあたって
日本フラメンコ協会会長 濱田滋郎
 皆さん。 宿願の「ANIFセンター」が、このたび、無事建ち上がりました。 所番地は東京都中野区中野3-
3-6、つまり従来の日本フラメンコ協会事務局であった建物をすっかり新築し、面目を一新したものです。
4月上旬現在、まだ「建物だけ」の姿ですが、基本的にはすっかり出来上がっています。

 これから看板を出したり、外装にスペイン風タイルをあしらったり、花鉢を飾ったり、内部にはオーディオ、
ヴィジュアルの機器を揃えたり、本棚に諸々の資料を運び入れたり・・・そのほかすべてが整えば、「ANIF
センター」はこれまでの事務局とは次元の違った、夢あふれるひとつの文化施設となります。

 これまで同様に事務局の機能を果たすだけでなく、3階建ての上に登れば思わずビールのジョッキも傾け
たくなる屋上もついたセンターは、さまざまなセミナーが定期的に行われる場にもなります。 また、会員た
ちが自由に訪れては、フラメンコ的な雰囲気の中でくつろぐと共に相互の交流を深める場ともなるのです。

 具体的には、これからさまざまな企画を随時発表していきますので、どうか皆さん、「これこそ自分たちの
センター、自分達の催しと憩いの場」の意識のもと、注目して頂きたいと思います。 なお、階下の半地下
室は、協会とは別管理ながら、立地条件からみて思いのほかに広く、使い勝手のよさそうなスタジオ「アル
・ソル」が作られています。

 フラメンコにたずさわる者たちの砦、心のふるさとであるべき「ANIFセンター」を愛するフラメンコの未来の
ために最上の方法で活用してまいります。

三好保彦氏へのHOMENAJE <日本フラメンコ協会設立15周年記念CD制作>
日本フラメンコ協会理事長 小島章司 ●宝物のような思い出の一景●
 今日の日本のフラメンコの隆盛を、三好さんはどんな思いで見ておられたのだろうと熱く胸をよぎる思いが
します。 日本のフラメンコギターの草分けであり静かなる重鎮として存在し続けた三好さんの功績は、フラ
メンコ史に刻まれるべき重要なものだとしみじみ感じています。

 私が最初に三好さんにお目にかかったのは、武蔵野音楽大学に通う学生の頃でした。 当時私は、斉京
昇先生のスタジオへフラメンコを習いに通っていたのですが、斉京先生が奥様の和子先生と共に公演を準
備されていて、三好さんが高田健三さんとともにギターを担当されることになり、上京なさっていたのです。

 三好さんは、言葉で多くを語る方ではありませんでしたが、そのギターの音色は豊で美しく、深く心に残る
演奏をする方でした。 同時に学究肌の三好さんは、求道者のようにフラメンコを追求し研究しておられる
様子がその雰囲気でこちらにも伝わって来ました。 そして、まだフラメンコの世界に足を踏み入れたばかり
の私に、ギタリストの立場からさまざまなアドバイスをしてくださったのです。

 律儀で、思慮深く、フラメンコに対しては頑ななまでに真摯な姿勢を貫かれた三好さんと、私のフラメンコの
最初の時代を共に過ごさせて頂けたことは、私にとって誇りであり、宝物のような思い出の一景となっていま
す。

 三好さんがフラメンコに没頭された時代は、フラメンコの情報や資料はまだ日本には全くないという状況下
で、フラメンコの何たるかを、手探りで模索せねばならなかった時代でした。 そのご苦労は並々ならぬもの
であったと思います。

 このたび、日本フラメンコ協会から追悼CDを発表することになりました。 このような形で、三好さんの貴重
な全盛時の演奏が復刻録音され、次の世代へと受け継がれていくことを、心からうれしく思います。

*日本フランメンコ協会会員 入会・更新時に全会員に無料配布。 希望者には協力金2,000円でおわけ
 することもできます。

スペイン旅日記 その2 山田恵子(副会長)
Feria Mundial Flamenco -Palacio de Exposiciones y Congresos de Sevilla-
2004年9月30日〜10月3日
 今回はいよいよEXTENDAからの御招待に話を移しますが、その前に、前夜観たマリア・パペスの公演
(マエストランサ劇場)にも少々ふれておきましょう。

 SEVILLAはペーニャ・フラメンカ開催期間中で、町中を包んでいる熱気がそのまま公演にもあり、東京で観
たのと同じプログラムなのに全く違うものという思いがしました。 何故ってSEVILLAのおじさん、おばさん達
(失礼)の舞台への声のかけ方は半端じゃない! 観客もアルティスタを育ててますねぇ!

 さて、EXTENDAはアンダルシア州の公的機関で、日本への州内製品の貿易及びアルティスタ達のプロモー
ションを行っています。 数多くの業種が存在する中でも欠かすことのできない分野がフラメンコであり、9月
30日から10月3日まで開催されたこのフエスティバルには特に力を注いでいる様子でした。 

 初日には各国からの招待者9人とEXTENDAのスタッフのセサール氏との顔合わせがホテルのロビーで行
われました。 3日間このメンバーと行動を共にするのですが、アメリカからは楽器関係の方が2人とミュージ
シャンご夫妻、ハンガリーから代理店の方とカメラマン、オーストリアからプロデューサーのシルヴィオ氏、ミラ
ノ在住の日本人プロデューサー軍司氏、それに私の9人。 

 毎朝11時に送迎バスで出発し会場入り、ランチタイムをはさんで夕方5時までセレクトした2つの会場を訪
問しました。 日本を発つ時すでに十数社からの面談のオファーがあり、日本フラメンコ協会副会長の名刺を
持参し、責任を持って仕事を致しました。 3日間という限られた時間でしたがそれなりの成果はあったと思い
ます。

 1日目は音楽と舞踊の相互関係の部屋を訪れました。 ギタリストのペドロ氏が、アレグリアスを踊る男性の
踊りと共に解説をしながら進行するという、大変面白い内容でした。 サパティアードとパルマを符面にし、音
楽的言語を表現、これがすでにアリカンテのコンセルバトリオで教材として利用されているそうです。 日本語
版も近々出版されるとの事。 

 ここで気がついたのは、今スペイン、日本でも流行(?)している踊り、ヌメロの始めから終わりまでサパティ
アードの連続でカンタオール(ラ)に気の毒な踊りではなく、とてもカンテを大切にしながら踊りも主張するスタ
イルにほっとして事です。

 このスタイルが本来のフラメンコだったはずで昔カンテの部分で踊りが邪魔をした場合、怒られたことを思い
出しました。 ペドロ氏も、「スペインでもそのような踊り方が多いけれど流行だと思いますよ。 カンテの大事
にしなくてはいけない」とおしゃいました。 夕方には会場内にあるSala Andaluzでガラフラメンカを1時間観て
ホテルに戻りました。

 夜、ドレスアップしてテアトロ・ロペス・ベガに。 ここは昔からある古い劇場です。 プログラムはカンテの名
手を数多く生み出すレブリハ出身のアルティスタによるカンテの競演でとても楽しいものでしたが、時差による
眠気で何度も目をつぶってしまい目が開くとカンタオールと顔が合って苦笑。 ごめんなさい!

 ここの劇場では高橋紀博さん、小松原庸子さん、チャチャ手塚さん達にお会いしました。 会場入口でもぎり
をやっている若い方々はここで勉強中のギタリストやダンサー達で、いきいきとしていました。 劇場をハネる
と夜中のBARでワイワイガヤガヤ、飲んで食べて盛り上がりご機嫌でホテルへ・・・。
(以下、次号では感動の連続!乞うご期待)

ANIFセンターで総会を開催 同時にバザーを開催
2005年6月5日(日)
 久しぶりにバザーを開きます。 衣裳、小物など、スペインもの以外でも結構です。 たくさん取り揃えて、盛
大なバザーにしたいと思いますので、皆様のより多くの出品をお待ちしております。

<更新手続きのお願い>
 2005年3月31日をもちまして、第15期を終了し4月1日より新年度になりますので、会員の皆様、更新の
手続きをお願いいたします。
2005年度会費 正会員:12,000円 準会員:6,000円 賛助会員:30,000円以上
*再入会の場合、入会金は免除されます

イベントメモリー
3月
●全国学生フラメンコ連盟 東京公演vol.10
 5日(土):江戸川区総合文化センター
 出演/全国フラメンコ連盟加盟大学
●アトリエ・ラ・ダンサ定期コンサート vol.12
 19日(土):新宿文化センター大ホール
 出演/ホセ・ガルバン、片桐美恵、岩本容子他
●ナランヒータ カンテ・ソロリサイタル
 ”vol de Cristal” 〜透きとおるカンテフラメンコ
 27日(日):中目黒GTプラザホール
 出演/ナランヒータ、木南利夫、牧野貴文
4月
●東京外国語大学スペイン舞踊部・カンテ研究会第12回リサイタル
 28日(木):三鷹市芸術文化センター星のホール
 出演/東京外国語大学スペイン舞踊部・カンテ研究会
5月
●フラメンコ・フェスティバル・イン・ジャパン 2005
 10日(火)〜14日(土)・25日(水)
 東京国際フォーラムホールC、Bunkamuraオーチャードホール
 出演/サラ・バラス、エバ・ジェルナブエナ、マイテ・マルティン、ベレン・マジャ、ヌエボ・バレエ・エスパニャー
 ル、カルメンコルテス、ヘラルド・ヌニェス、ビセンテ・アミーゴ他
●小島章司フラメンコ2005「ROMANCE」
 14日(土)・15日(日):天王洲・アートフィア
 出演/小島章司、小島章司フラメンコ舞踊団
●飯ヶ谷守康フラメンコギターコンサート
 5/20日(金):ザ・ルーテルホール(札幌)
 6/3日(金):現在ギター社GGホール(東京)
 出演/飯ヶ谷守康
●フラメンコセッション2005
 5/27(金):大阪ホールジュン 5/28(金):京都パティオマジョール
 6/2(木):川口リリア音楽ホール 6/9(木):札幌教育文化会館 6/15(水):福岡夢天神ホール
 6/17(金):熊本小国木魂館 6/21(火):広島NTTクレドホール 6/24(金):高知ラ・ヴィータ
 7/1(金):品川プリンスホテルクラブex
 出演/鈴木英夫、山崎まさし、山本俊自、田中裕士、田村誠次、つのだたかし、五十川博史、有田圭輔、
 永潟三貴生、手塚環、鈴木眞澄、三枝麻衣、三枝雄輔
6月
●ビバ!フラメンコ2005
 10日(金):大阪厚生年金会館大ホール
 11日(土):グリーンホール相模大野
 14日(火)・15日(水):中野サンプラザホール
 18日(土):名古屋市民会館 20日(月):宮城県民会館
 出演/アントニオカナーレス、アントニオ・マルケス、ホアキン・グリロ、他
●長編フラメンコ映画「サロメ」特別上映会
 12日(日):銀座ブロッサムホール
 出演/アイ-ダ・ゴメス
7月
●曽我辺靖子フラメンコスタジオエルマナス(hermanas)発表会vol.18
 10日(日)浦安市文化会館大ホール
 出演/曽我辺靖子フラメンコスタジオ生徒、山崎まさし、今田央、川島桂子、大渕博光、白石啓太
 すがえつのり
●岡本倫子スペイン舞踊団第18回新人公演
 22日(金)・23日(土)・24日(日) : abc会館ホール
 出演:岡本倫子スペイン舞踊団及び教室生徒、山崎まさし、今田央、久米道弘、クーロ・バルデペーニャス
 手塚環、永潟三貴生

昨今のフラメンコギターに想うこと
 クラシック音楽に聞こえない音楽をクラシック音楽と言えるだろうか? 世の中にはインド音楽、ラテン音楽
等々、さまざまなジャンルの音楽があるが、それぞれ個性がありそのように聞こえる。 だからインド音楽で
ありラテン音楽である。 

 最近のフラメンコギター、フラメンコに聞こえない部分が多すぎると思う。 進歩するのは良いと思うが、あま
りにも度が過ぎると良くない。 フラメンコと言えない時代が来ている。 踊りもモダンになりすぎればニューフ
ラメンコ、古典フラメンコとジャンルを別ける必要がある。 

 古き良きフラメンコを支持する人も多いはず、でも今の若いフラメンコの人達には古いフラメンコが新しい物
に見えるかも知れない。これからフラメンコの世界に生きる人達へ自己満足にならないように気をつけて欲し
い。それは自分の首をしめることに他ならないから。 住田政男(ギター)
日本フラメンコギター界の盛り上がり
 私が踊りの伴奏を始めた頃は、唄い手なしでギター一本だけという本番が頻雑にありました。 しかし最近で
は唄が入るのは当たり前で、たまにギターが二人ということもあります。 それだけギターや唄をやる人が増え
てきた証ではないでしょうか。 

 また、ギターリストの座る位置も変わってきました。 第一ギターの左手を見て合わせられるように、第二ギタ
ーが右側ということが多かったのですが、最近ではスペインのように逆に座ることも多々あります。 座る順番
だけを考えてみても、一歩ずつ本場のスペインに近づいているのかもしれません。 片桐勝彦(ギター)
久しぶりのセビージャに1年間滞在してきました。
 たくさんの日本からの、そして外国からのフラメンコ留学生の人達に会いました。 その中で改めて感じたの
が「日本人は”フラメンコ”が好きなんだなあ、そしてガンバッているなぁ」ということでした。 フラメンコへの憧
れと尊敬の念は、諸外国、いやもしかしたら本国スペインの若者にも負けないのではないかと思われました。

 遠く隔たる大陸の反対側では、見えない物、形のない物の存在を信じて夢見る日本人の一人であることを
誇りに思います。 川島桂子(カンテ)
カンテにについて思うこと
 私がカンテと出会ったのは、ヨーロッパをツアーでまわったときだった。 希望者を募ってのタブラオ見学で初
めて見るフラメンコ。 フラメンコに関しての何の知識もなかった。 今思い出そうとしても、それがレベルの高
いショーだったのか、観光客向けのそれだったのか、わからない。 旅行で浮かれた気分のせいもあるかもし
れない。 でも、気がつくと、涙している自分がいた。 ステージからあふれる何かのかたまりに全身を揺さぶら
る、そんな感じだった。

 もともと、歌うのは好き。 でも、内なる感情の表出とことにおいては、どこか気恥ずかしさ、それをよしとでき
ない価値観が自分の中にあった。 でも、初めてフラメンコに接したとき、ああ、自分をさらけ出していいんだ、
こんな文化があるんだ、これが私のやりたいものだ、 そんな思いでいっぱいになった。

 フラメンコは外国の文化。 日本人の私がやるのは、本当に難しい。 それでも、そのリズムに、メロディーに、
歌詞に、自分の思いを感情をこめて表現できる幸せを、ふとして瞬間瞬間に感じている。 森薫里(カンテ)