ANIF 日本フラメンコ協会 会報 No.56

ANIF 日本フラメンコ協会会報56号
Asociacion Nipona de Flamenco
2007年4月20日 
発行:日本フラメンコ協会
〒164-0001東京都中野区中野3-3-6
Tel:03-3383-0413 Fax:03-3384-5711
B5版 4ページ

◆第15回 新人公演奨励賞授与式 2007年度 ANIF新年会

 1月28日(日)午後5時より、中野サンプラザ11階「アネモ」において日本フラメンコ協会
新人公演奨励賞授与式及び新年祝賀会が開催されました。
 
 濱田滋郎会長の開会挨拶に始まり、授与式へ。 賞状は小島章司理事長、盾は本間三郎副会長、
花束は山田恵子副会長の各氏によって受賞者たち----(バイレソロ)里有光子、田中玲子、
末木三四郎、本田恵美、田中菜穂子、工藤明子、屋良有子、(ギター)縄手善尚、
(カンテ)高橋綾、(努力賞)荻野リサ---の方々に授与されました。

 又、会長から協会の理念が書かれた直筆の色紙がお祝いとして一人一人に手渡されました。
「力を合わせて初めてできることがある。我々は心の絆をもって集う、一人一人が輝くために!」
フラメンコの先輩たちから後輩たちへ、この理念が確実に受けつがれて行くように・・・心からの
願いを込めて「おめでとう!」
 
 記念撮影、インタビューへ・・・受賞者たち、それぞれの言葉、それぞれの思いを語ってくれま
した。どの受賞者も心を込めて精いっぱい演じきったと自身と誇りに、一人一人が輝いていました。

 ご来賓から、なかのZEROホール館長伊藤昭氏のご挨拶、フラメンコへの深いご理解と毎年の新人
公演を、ぜひ協会と同区であるなかのZEROホールで!!との熱く暖かいメッセージをいただきまし
た。 

 そして、坂中浩治副会長による乾杯で懇親会へと続き歓談も盛り上がったところでアトラクション
へ・・・伊藤日出夫副会長門下の”ドン・アルマス”(3名)による、ギター、カホンの演奏。 会も
最高潮へ達したところで、恒例の抽選会へ。常磐興産株式会社社長斎藤一彦氏のご挨拶をいただき、
香取希代子賞であるスパリゾートハワイアンズ・ペア宿泊券(6組)の抽選が新人公演参加者によって
行われました。 毎年白熱する会長とのジャンケン勝負!! そして福袋のビンゴゲームと、さらに
ヒートアップ。 時間はあっという間に過ぎ、関西支部長岡崎義隆理事の閉会の辞で、新年会も無事
終了へ・・・。

 あらためてなかのZEROホール館長の深い理解とお言葉に心から感謝申し上げ、私たち会員、役員、
理事一同、協会の理念をより確実なものにするために、一層、努力をしていくことを強く心に感じ
ました。

◆国際部だより

フェデリコ・ガルシーア・ロルカ没後70周年追悼式典に列席して
小島章司(理事長)
 06年は詩人フェデリーコ・ガルシア・ロルカが歿して70年の記念の年である。昨年8月18日、生地で
あるグラナダで追悼集会が催され、ロルカの生家博物館の招聘を受けて出席した。日本人は私一人
だったようだ。

 からりとした軽い空気。どこまでも深く青い空。溽暑甚しい東京と打って変わってグラナダは存外
気温が低く、秋涼愛すべしといった趣だった。間が悪いことにロンドンでのテロ未遂事件直後にヒー
スロー空港を経由したため、荷物は行方不明、一週間着の身着のままで過ごす羽目になったが、そんな
厭な事もグラナダの空気に触れた途端、記憶から吹き飛んでしまった。

 舞踊の世界に足を踏み入れて来年で50年、とりわけ近年は多くの舞台をフエデリコに捧げてきた。
踊る勇気を与えてくれる存在、それが私にとってのフェデリコである。人はたいていロルカと略して
呼ぶが、生前彼と親しかった人はみなフェデリコと呼んだ。私も親しみと敬意を込めて日頃からフェ
デリコと呼んでいる。

 午後9時半。会場はグラナダ郊外の町アルファカル。詩人の名を冠した公園で集会は始まった。暗殺
された場所のすぐ近くに設けられた公園である。盛会だった。寒風吹きすさぶ中数百人がつめかけた。
追悼集会は毎年開かれるのだが、これほどの規模と熱気はかってない。私自身、5年前にも参加して
鎮魂の心を俊英のカンタオール、アルカンヘルの伴奏で奉舞させていただいたし、98年には生誕百周年
の祝賀会も出席したが、今回ほど人々のフェデリコに対する熱い思いを感じたことはなかった。

 スピーチしたのも錚々たる顔ぶれで、カルメン・カルボ文科相をはじめ歴史家でフェデリコの伝記
作家として名高いイアン・ギブソン氏、フェデリコは生き残っていたという仮説に基づいた映画を
撮ったミゲル・エルモーソ監督、国会議員で深い教養の持ち主であるアルフォンソ・ゲラ氏などがそれ
ぞれ10分ほどフェデリコへの賛辞を述べた。舞台演出家のリュイス・パスクアル氏は詩や戯曲の一節を
演じながら朗誦。式典のしめくくりはシンガーソングライターのアマンシオ・プラーダ氏によるギター
と歌だった。氏もよほど感に堪えていたと見えて、ギターとマイクをつけ忘れるというハプニングも
あった。

 映像作品も紹介された。フェデリコの暗殺の実行犯に関するドキュメンタリー映画「海は止まる」の
一部と、内戦の記録フィルムである。記録フイルムは凄惨を極めた。わずか数分の上映だったが、兄弟
同胞が血で血を争った内戦のむごたらしさを厭というほど見せつけられ、気分が悪くなったほどである。

 集会の後パーティ会場でイアン・ギブソン氏やミゲル・エルモーソ氏、アルフォンソ・ゲラ氏、
リュイス・パスクアル氏と言葉を交わす機会を得た。ミゲル・エルモーソ氏は数年前の私の踊りを見て
下さったそうである。射殺された本当の理由は今も定かでない。遺骸の正確な場所さえ不明である。
フェデリコに対するひしひしと感じた寒くてこごえそうな真夏の一夜だった。

 ◆「アニフェリアに想うこと」

■”フラメンコは世代を超えて”をテーマに掲げたアニフェリアも隔年ごとに「バイレの祭典」・
「ギター・カンテの祭典」と回を重ね今回で5回目を迎えます。プロ・アマという枠を取り払って
多くの方々に開かれたかたちで実現するアニフェリアのステージは、出演者のみならず、観客と
して観る側の方々にとっても、とても興味深い催し物ではないでしょうか。

 フラメンコへの関わり方がそれぞれ違っていても、フラメンコを愛する心を共有する出演者
たちが、熱い想いを込めてひとつの舞台を創っていくことが出来ればとても素敵なことだと思い
ます。アニフェリア「バイレの祭典」が日本のフラメンコ界で実現しうるかぎり多彩なフラメン
コの魅力にあふれたステージになることを願っております。
岡本倫子
■普段私たちは、個々で活動しています。日本フラメンコ協会はそんな私たちをひとつにまとめる
役割を果たしています。協会の主催している催しに関わることによって、多くのフラメンコの仲間
たちと交流ができ刺激を受けることが出来るのです。そして、フラメンコに対し意欲が燃え、最終
的には日本のフラメンコの水準を上げているのだと思います。

 アニフェリアは日本フラメンコ協会の催しの中でも、幅広い層の方々が参加できる素晴らしい
公演です。今までも、このほのぼのとした公演に参加して「出演してよかった。」と実感していま
す。回を重ねるごとに、誰でも気軽に参加できる公演なんだということも、もっと多くの方に知っ
てもらえたら嬉しいです。
鈴木敬子
■「もう一度タラントを舞台で踊りたい!」その一心でアニフェリアに申込みました。小さいなが
らも教室を持ち、自分で活動するようになると、大きな舞台公演を企画するのはなかなか難しいこ
とです。なかのZEROの舞台は、かつて育てていただいた新人公演で、何度も出演し、多くを学んだ
私にとって大切な場所。その舞台でソロを躍らせていただくのは身が引き締まる思いでありますが、
初心に戻れる大切な舞台です。

 今回もその頃と同じように、今出来る精一杯で、そして「成長したね。」と言っていただけるよう、
心を込めて丁寧に踊りたいと思っております。いつも支えてくださるスタッフや共演者の方々、今ま
で育てて下さった全ての方々に感謝を込めて・・・
武田泉
■春がきました。今年は冬なのに一度春がきたりしてややこしかったです。2年に1度「バイレの祭典」
というものを協会が設けました。同じ志をもつ仲間、アーティストが一緒に舞台を共にする事、そして
それを観賞出来るという事、願ってもない良い事です。新人公演がやや”賞”がとれたら・・・という
色合いが濃いものに対し、アニフェリアはちょっと違います。

 「賞をとる為に私達は踊るのではないのです!」勉強しつづけること、踊ることを楽しみたいのです。
正しいフラメンコ、というのがあります(あるらしい)。フラメンコに法律がああるという事。それは
ギタリスタ、カンタオール(ラ)、バイアオール(ラ)が一体となって、ひとつのヌーメロ(曲)に仕
立てる為の約束のことです。

 これをマスターすることも、なかなかやっかいなものです。それを勉強しなければ楽しめないのです
から、やりましょう。5月6日、今年もバラエティにとんだ舞台で期待できそうです。演じる人も観る
人もZEROホールでこの日が充実した一日となりますように、フラメンコがもっと好きになりますように。
花岡陽子
■普段大きな舞台に立つ機会のない身なのですが、今回はお誘いを受け、私はクワドロで、そして生徒
さん達はオープニングでセビジャーナスで参加させていただく事になり、良い機会と喜んでおります。
が・・・2月に右足薬指を亀裂骨折してしまい私自身は正直なところ出演が微妙です。足が踏めなくても
上半身でどうにかして踊りたいと現在摸索中なのですが・・・5月6日は皆様と舞台を共にする喜びを
分かち合えたらと思います。
本田恵美

◆アントニオ・ソレ-ラ氏を協会が表彰

 アントニオ・ガデス舞踊団が2月〜3月に来日、完成度の高い3作品を披露しました。そのガデス舞踊団
で長年ギタリストをつとめるアントニオ・ソレーラが、思わぬ形で脚光を浴びました。ある明け方近く、
大好物のラーメンを食べに出た彼は火事に遭遇。救助を求める女性の姿を見るや、「スミマセン、ドウゾ」
と繰り返し呼びかけ、2階から飛び降りた女性を受け止めたのです。

 このニュースは日西のマスコミに一斉に取り上げられましたが、本人は「当たり前のことをしただけな
のに・・・」と苦笑い。シャイな性格の彼にとって、華々しい報道はむしろ困惑のタネだったようです。
しかし、フラメンコのイメージを高めてくれたことは事実。

 日本フラメンコ協会からも、表彰状の贈呈が決められました。派手嫌いのアントニオのため、贈呈は
濱田会長、小島理事長、田代事務局長がそっと楽屋を訪れておこないました。照れていた彼も、最後は
笑顔で写真に収まってくれました。

◆フ・ラ・メ・ン・コ よもやま話

 1960年〜70年にスペインにいらしたギタリスト住田政男さんから当時のお話をうかがいました。
フラメンコがさまざまに変化している現在、興味深い当時のタブラオでの形をご紹介します。

・アレグリアス
 もっと昔はシレンシオがなかったがこの頃にはマイナー部分とメジャー部分とがあり、ギタリスト
 の腕の見せどころだった。後に曲を短く構成することが必要となりマイナー部分のみの形が多く
 なった。
・ソレアス・・・現在と同様
・シギリージャ・・・最後にブレリアにする人もいた。
・ティエントス
 最後にルンバにしてスカーフをふり、もり上げて終わる人もいた。
・ガロティン・・・現在と同様
 70年代LAS BRUJASではメルチェ・エスメルダがパコ・フェルナンデス振付で、マノロ・サンルー
 カルと相談しながらつくったガロティンを踊っていた。
・グアヒラ
 後半のコロンビアーナはブレリアやルンバのリズム、どちらもあった。セパレーツのお腹の出てい
 る衣裳でアバニコをもち、南米の雰囲気をよく出していた。
・タラント
 後半をブレリアにしている人もいた。
・カーニャ
 ラメントの部分は6で区切られのが正式だった。
・ペテネラ
 そのままテンポを上げて終わる形だった。
・ソレア・ポル・ブレリア・・・現在と同様
 70年代からよく踊られるようになった。
・タンゴ・デ・マラガ
 古くは明るく早い唄だったが後にマイナー音でゆっくり唄われるようになった。
・タンギージョ・デ・カディス
 主にカディス出身の唄い手が唄い、もりあげるために後半にルンバをつけた。
・カラコレス
 息つぎがしにくい唄のため唄い手、ギタリスト泣かせの曲であり、テンポが速かった。

*タブラオ全盛の頃、ルンバを唄い踊るルンベーロ、ルンベーラがどこでも大人気だった。
 古い歴史のあるVILLA ROSAはタブラオになる前、部屋が小さく区切られていて金持ちの
 人が好きな歌い手を呼び、カンテのみを楽しみ場所だった。
聞き手:鈴木眞澄

◆新設「特別正会員」

 懸案事項の会員種別の改定に伴い、いよいよ今期より実質的に適用された特別正会員制度は、
フラメンコに関わる専門家としての自覚と責務を、より明確にしたものとして注目されます。
特別正会員
●本協会の目的に賛同して入会した個人で、フラメンコを生(正)業としている
 と認められた正会員
 年会費:24,000円
 
特別正会員規定
 @原則として5年以上継続して正会員である
 A特別正会員2名の推薦
 B理事会の承認
 Cその他、協会の指定する要件を充たす
  *講習会など、地方会員向けの配慮も検討
特別正会員特典
 @特別正会員を証明するステッカーを配布
 AHP上にて紹介
 B専門家登録し、外部からの照会に対して優先的に推薦、紹介
 C理事会を推薦を経て、文化庁「学校への芸術家派遣事業」協力芸術家登録ができる

更新手続きのお願い

 17期は2007年3月31日にて終了。 4月1日より新年度18期がスタートしております。まだ更新のお済で
ない皆様は、下記のいずれかの方法で更新手続き完了してください。
 @郵便振替 00180-2-143166「日本フラメンコ協会」
 A現金書留 「日本フラメンコ協会」宛
 B銀行振込 三菱東京UFJ銀行中野駅前支店 普通預金1078072「日本フラメンコ協会」
 C直接事務局へ来訪

◆ANIF主催公演のお知らせ

第5回アニフェリア2007〜バイレの祭典〜
 ◆2007年5月6日(日)開場17:15 開演17:45
 ◆なかのZERO大ホール

第16回新人公演「フラメンコルネサンス21」
 ◆2007年8月17日(金)、18日(土)、19日(日)
 ◆なかのZERO大ホール

★ANIF公演イベント<2007年1月〜12月>

2007年1月
●チャチャ手塚バースディライブ
 21日(日):STBスイートベイジル
 出演/チャチャ手塚、鈴木眞澄、ジャマキート
2007年3月
●佐藤夏子フラメンコ
 18日(日):藤沢市民会館大ホール
 出演/佐藤夏子、エル・トレオ
2007年5月
●「Fiesta de Flamenco」
 曽我辺靖子フラメンコスタジオ”hermanas”発表会Vol.9
 3日(木・祝):浦安市文化会館大ホール
 出演/フラメンコスタジオ”hermanas”生徒一同
●東京外語大学スペイン舞踊部・カンテ研究会
 第14回リサイタル
 3日(木・祝):府中グリーンプラザけやきホール
●伊藤日出夫「ギターを愛して60年」
 9日(水)三越劇場
 出演/伊吹吾郎、田中美穂、曽我辺靖子、鈴木眞澄、鈴木舞、鈴木千琴
●小角典子フラメンコ舞踊団
 「フラメンコへの誘い2007〜グラナダ伝説〜」
 13日(日):札幌サンプラザホール
2007年6月
●FLAMENCO DE ”VIENTO”
 20日(水):新宿エル・フラメンコ
 出演/吉田睦子 他
2007年7月
●岡本倫子スペイン舞踊団第20回新人公演
 14日(土)・15日(日)・16日(月・祝):シアター1010(足立区千住)
 出演/岡本倫子スペイン舞踊団及び教室生徒
2007年8月
●第9回なかの国際ダンスコンペティション
 予選 8月9日(木)・10日(金)・11日(土)・12日(日)
 なかのZERO小ホール
 決選 9月23日(日・祝日):なかのZERO大ホール
2007年9月
●依田由利子フラメンコスタジオ合同発表会「アルテ'07」
 6日(木):愛知県芸術劇場大ホール
 出演:依田由利子 他
●花岡陽子スパニッシュダンスカンパニー研究生公演
 「22名の新人たち」
 29日(土):秋田県民会館
 出演/花岡陽子、児玉キミ子 他
2007年11月
●プレステージ”5周年ライブ”
 24日(土):吉祥寺前進座劇場
 出演/AMI、小島慶子、篦津弘順
2007年12月
●「ボレロを楽しむ会」
 16日(日):川崎教育文化会館
 出演/花岡陽子、堀内真理子 他

*協会に後援申請のあったイベントのみを掲載しています。